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コラム第6弾、SUPER GT 日産系チーム総監督 柿元邦彦にインタビュー

2013.02.26 Tue

日産モータースポーツを支える者たちに、あらたな光をあてるコラム。
第6回は、SUPER GT 日産系チームを支える総監督、柿元邦彦の
モータースポーツに賭ける思いを綴ります。


「映画観るの、好きなんですよ。好きな映画はね、
ハッピーエンドじゃないやつ。だってね、
人生、うまくいくことばかりじゃないから。これも職業病なのかな。
総監督になってから考えるのは、うまくいかなかった時のこと。
私の出番は、何かあったときなんです。
そのとき、どれだけ冷静に判断し、行動できるか…
毎日毎日、一分一秒、考えてるのは危機管理なんですよ。
私は、モータースポーツに人生、学んだから」
微笑む目の奥は、ピンと水を張った森の中の湖のように静かだった。

柿元邦彦。大学の教授もこなすインテリにして空手二段の行動派。
さしずめモータースポーツ界のインディー・ジョーンズ。

「自動車業界をある意味牽引し、貢献できる存在として
モータースポーツがあると思っています。
若いひとにクルマにワクワクしてほしい。
私がかつて、ロングノーズショートデッキのクルマにワクワクしたように。
そう、とにかくたくさんのひとに現場、つまりレース場に来てほしい。
好きなドライバー、好きなクルマをひとつ作ったら、
観戦は楽しくなります。
マシンに貼ってあるステッカーが自分の好きな会社のものだった、
それだけでもいいんです」
柔らかい語り口に自信と決意が混じる。

「2013年はね、3年連続チャンピオンがかかっていたり、
節目の年になると思う。私が常々思っているのはね、記録より、
記憶に残るレースがしたいってこと。そして記憶に残るためには、
1位になるってことがとっても大事なんですよ。
日本一高い山は?そう、富士山。じゃあ2番は?
世界一高い山は、エベレスト。じゃあ2番目は?…答えられない。
記憶に残ってない。
1位であることにできるだけこだわっていきたい。
それがモータースポーツの宿命(さだめ)だと思います!」

手を見せてもらった。たくさんのひとを束ね、ひっぱる大きな力強い手。
こぶしを握ってもらった。迫力が増す。

「空手っていうのもね、相手の先を読む。
一番インパクトのないよけ方をする。やっぱり危機管理かな」
何があっても、このひとが後ろにいたら頑張れる。
総監督の意味が、少しわかった。

文・写真 北阪昌人