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コラム第8弾、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリにインタビュー

2013.04.25 Thu

日産モータースポーツを支える者たちに、あらたな光をあてるコラム。
第8回は、昨年、国内最高峰レースSUPER GT GT500クラスにおいて
柳田真孝とのコンビで大会2連覇を達成した、ロニー・クインタレッリ。
NISMO移籍後最初の年に賭ける想いと、その素顔に迫ります。
ご期待ください!


「9歳のとき父親に連れられて、イタリア、イモラサーキットで、
初めてF1を観たときのことは、忘れられない。セナが、プロストが、
そこにいた。目の前を通過するマシンのエンジン音を、
綺麗な音だと思った」
ロニーは目を細めて、そう言った。
あの爆音を『綺麗』だと表現するひとに初めて出逢った。
流暢な日本語。それでも時々、自分の思いやイメージを表現する言葉が
見当たらなくて、眉根を寄せる。

10歳の誕生日に父親に買ってもらったレーシングカート。
またたく間に頭角を現す。
なぜ、いきなり速く走ることができたと思いますか?
そう尋ねると、
「3歳か4歳くらいのときに、父親が運転するクルマに同乗して、
左!右!ってステアリングを体感してたらしい。
ボクの育ったところは、イタリアの山の方。カーブが多かった。
それから、父親が大理石の仕事をやっていて、
学校が終わると、フォークリフトを運転して
仕事を手伝ったんだ。大きくて重い石を持ち上げるバランス感覚、
フォークリフトの操作術、学ぶことは多かった」。
ある意味、英才教育!父親思いの優しさが、彼をしっかり支えている。

「飛び出しっていうのかな、速さには自信があった。でも、
レースをどんどん学ぶうちに、モータースポーツで最も必要なことが
わかってきた。それはチームで戦うということ。
マシンの状態、レースマネジメント、スタッフ、エンジニアとの
コミュニケーション・・・。 おそらく、ヘルメットをかぶる瞬間までの
準備が、勝敗を大きく左右する」。
ストイックに心と体をベストな状態に保とうとする凛とした姿勢が
伝わってくる。

2013年シーズン初戦の岡山でのレース。
「3位という結果にもちろん満足はしていない。
ただ内容はよかった、手応えはつかんだ」と真っ直ぐこちらを見た。
「目標だったNISMOのドライバーになれて、とってもうれしい。
みんなが期待してくれている。それはとても心強い」
手を見せてもらった。

「昔はね、力が入りすぎて、手のひらにマメをつくっていた。
でも今は柔らかくステアリングを操作してる」
大きくて、でも繊細な手。
その手のひらの向こうに、かつて父親の運転を真似て夢のハンドルを握る、
キラキラした目をした子供の姿が、見えた。

文・写真 北阪昌人